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FEATURE 特集記事

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今日からあなたも編集者!?Wikipedia編集マンが語る、今、日本各地で広がるWikipediaタウンの魅力と意義とは

2020.03.09

 

何か情報をインターネットで検索するとき、必ずといっていいほど検索ページに出てくる「Wikipedia」、一度はご覧になったことがあるという方も多いのではないでしょうか。Wikipediaはインターネット上のフリー百科事典として、2001年に設立され、誰もが自由に記事の編集に参加できるのが特徴です。現在日本版では、117万記事(放送当時)が投稿されていますが、これらの記事も全てボランティアの編集者の方々によって公開、編集されています。

そんなWikipediaに地域の文化財や観光名所などに関する項目を執筆するプロジェクト「Wikipediaタウン」という取り組みがあります。これまで地域に埋れていた情報を掘り起こし続けているこのプロジェクトで講師を担当されているAraisyohei さんをゲストにWikipedia タウンの取り組みやこの活動の意義などについてお話しを伺いました。

 

Wikipediaと様々な視点関わり続けてきた16

 

Wikipediaタウンのイベント運営に関わっているAraisyoheiさんですが、元々は2003年からWikipediaの編集作業を続けています。「当時は、日本語版が黎明期で、記事がないものが多くありました。最初に編集した東京メトロ千代田線も記事の中身が何もなかったので、簡単な説明を書いていました」と懐かしそうに語ります。なんと、学生時代は通学時間が片道2時間あったため、降りるギリギリの駅まで書いていたのだそうです。

そこからこれまでの編集経験をかわれ、2014年にWikipediaタウンの講師役の養成講座のファシリテーターとして参加したのがWikipediaタウンの運営に関わる最初のきっかけだったのだそうです。現在は、ファシリテーターだけではなく、仕事が休みの時にイベント会場にお伺いしてWikipediaの記事の書き方を説明したり、街歩きのお手伝いをしたりなど、幅広く活動を行っています。

 

世代を越えて集う「Wikipedia Town」の記事づくり

 

「Wikipediaタウン」という取り組みは、2012年にイギリス・ウェールズにあるモンマスという町で、その町のあらゆるものの情報をWikipediaに掲載し、さらにそれらの記事をQRコードにしてそのものに貼ることによって、掲載記事へのアクセスを簡単にしようとしたことが始まりとされています。

一方、日本におけるWikipediaタウンの取り組みは、町の情報を図書館などで調べ、それらを自分の言葉で解説、要約しながらWikipedia上に掲載する編集イベントとして、日本全国で2013年から開催されているそうです。

そんな日本でのWikipediaタウンの活動に多く関わってきたAraisyoheiさんによると、「参加する方々の多様性がイベントの魅力のひとつ」と話します。「開催する時期や場所、執筆テーマによって様々ですが、高校生や大学生と一緒に編集作業をしたり、キーボードを使えないおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に編集作業をしたこともあります。ただ、そういったおじいちゃん、おばあちゃんの方々は『この町のことは任せなさい』というくらい、とても物知りなんです。大袈裟な話ではなく、図書館の奥の方に入っている資料のことを全部わかっている人もいるんです」と当時の驚きのエピソードも交えつつ語ってくれました。

 

埋もれた情報にアクセスする

 

今年、Wikipediaタウンの活動で行った取り組みの一つに、図書館で見つかった伊豆半島と関東地方を襲った「狩野川台風」の被害記録を残した資料をWikipediaに反映する取り組みがありました。この取り組みが災害の場面で役に立ったとAraisyohei さんは語ります。「2019年に関東一帯を襲った台風19号と狩野川台風と同じ規模であるといった報道があり、1日で「狩野川台風」の記事が46万アクセスに達するほど、多くの方々に見ていただいたんです。60年も前の話で狩野川台風をリアルタイムで経験した人がいなくても、こうして図書館の奥に閉まってあった先人たちが残した記録をWikipediaに反映させることで、多くの人に過去の出来事を伝え、現代に生かすことができたんです」

その上で、「過去の出来事を皆さん気になって調べますが、そもそも書く人がいなければ記事はありません。だからこそ、これからのためにも今年襲った台風19号をはじめとする災害の記録も残さなければなりません」と記事にすることの重要性を話します。

「誰でもその情報にアクセスできる環境をつくるということが大切なんです。それが過去の出来事であっても、地域の図書館に埋もれた情報や史実にアクセスできる環境を作っていきたいです」とこのプロジェクトの大きな意義を話してくれました。

 

***

 

今後も各地で開催予定のWikipediaタウンですが、イベントの場合、地域の図書館が主催になっていること多く、参加登録をするだけで基本的には参加できるのだそうですAraisyohei さんは、「一度も編集経験のない人や顔出し、名前出しを遠慮したい、という人でも参加できるようなイベントづくりを心がけています」と参加者の目線に立った心配りも大切にこの活動を続けています。

ぜひ、皆さんも自分の地元や、逆に知らない町に埋もれた情報をぜひ探してみてはいかがでしょうか。Wikipediaタウンが気になった方、詳しくはWikipediaでチェックしていただきたい。

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