メニュー
FEATURE 特集記事

FEATURE特集記事

うどんアーティスト「小野ウどん」の魅力とうどんの可能性に迫る!

2020.03.09

 

毎週木曜夜8時から、全国のコミュニティーFMを結んで、天谷窓大がパーソナリティーを務める「もっとつながるFM」38回目の今回は、うどんアーティストで出張専門讃岐うどん職人の“小野ウどん”さんをゲストに、これまでにない「うどんアーティスト」としての活動経歴や大型ロックフェス「FUJI ROCKフェスティバル」に出演し話題となったうどんパフォーマンスについて、さらに今後の展望をうかがいました。

 

日本を代表する食文化のひとつであるうどんに多くの可能性を感じ、さまざまな活動を展開している小野ウどんさんから見える、うどんの魅力とは、どういったものなのでしょうか。また、小野ウどんさんのうどんとの出会いも紐解いていきます。

 

うどんの新たな可能性を引き出す小野さんの活動とは

 

小野ウどんさんは、「うどん」を軸としたこれまでの枠に囚われないさまざまな取り組みを行なっています。その中の一つである「出張専門讃岐うどん職人」について、小野ウどんさんは、「20〜30人ほどのクローズのパーティーで打ってご提供することが多いですね。あとは、ホームパーティーや結婚披露宴、日本語学校で打つこともあります。外で打つことも多くて、BBQ会場は定番の場所になりつつありますね」と話します。

 

さらに、小野ウどんさんは、うどん職人としての腕を活かし「うどんアーティスト」として、大型野外ロックフェス「FUJI ROCK フェスティバル」のステージにも出演を果たしています。(参考 http://fujirockexpress.net/17/p_7684

うどんを楽器として使う、という小野さんのステージパフォーマンスとはどういったものなのでしょうか。

「讃岐うどんづくりの工程の中に、『透かし打ち』といって、持ち上げて落とすといううどんの打ち方があります。そのときに、「ドンドン」と音が鳴ります。その音をエフェクターという音を別の音色に変換する機械を経由して、曲の中でリズムを合わせながらパーカッションのようにうどんを打つということをしています」

 

このような「うどんアーティスト」としての取り組みは、日本以外の場所でも行なっています。クラウドファンディングで資金を調達し訪れたアメリカ・ニューヨークでは、「現地での人との繋がりから、ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルで手打ちうどんのパフォーマンスをさせていただきました」と話します。小野ウどんさんは、当時を振り返り、「『楽器』という形でやるエンターテインメントではあるものの、うどんは美味いので、パフォーマンスよりも「うどん、うまい!」で終わる感じが良かったですね」と嬉しそうに話してくれました。

 

このほか、小野ウどんさんはうどんにまつわるさまざまなイベントを主催されています。その中のひとつである「うどんディスコ」というイベントは、うどんづくり工程の一つである「踏む」という作業を、ディスコ空間の中で音楽を流しながら、お客さんにしてもらうイベントとして話題となっています。このイベントは、参加者がチームごとに分かれており、「うどん生地の踏みかたが一番面白かったチームに天ぷらをプレゼントする」といった面白い企画が行われるのも魅力のひとつです。

この踏まれたうどんは、小野ウどんさんのうどんパフォーマンスで、仕上げに入ります。

「僕がD Jの横で、踏んでもらった生地を伸ばして切るという仕上げをして、茹でるところまでをします。踏んだ後のうどんは円板状になるので、僕がやる仕上げの役目をU J(うどんジョッキー)と呼んでやっています。出来上がったうどんは、みんなで食べるところまでしています」

 

自分の弱みと向き合い出会った「うどんづくり」の世界

 

「うどん」を軸にさまざまな活動をされている小野ウどんさんですが、学生時代はコンプレックスに悩まされていたといいます。

「子どもの頃から得意なことや才能がなくて、平均的な自分にコンプレックスがあり、『何かを極めたい』という願望がもともとありました」

そんな中、高校時代に日本史の授業のなかで、ふと日本史は必死に勉強すると勝てるのではないか、と気づいたといいます。

「そこで必死で勉強を始めたことで、誰よりも勉強すると、いい点数が取れて、それが自信につながって、さらに勉強に励んで…という循環ができ、『極めるということは、こんなにも自信がついたり、メリットが大きいんだ』ということに気づきました」

この高校時代の経験から、極めることへの可能性を見つけた小野ウどんさんですが、当初は極めたいものになかなか出会えなかったといいます。「そんなとき、自分が日本史と麺類が好きということもあり、『日本の麺類をやろう』とうどんをやってみたところ、その魅力にハマってしまったんです」

 

小野ウどんさんは、うどんとの出会いについて「これまで何事も続かず、いろいろなことを辞めてきたのですが、うどんは毎日のように気づきや進化がありますね。飲食店自体に面白さを感じでいたので、そこに自分の存在価値を見出していく中でハマっていきました。学びが多いというのがうどんに感じたところですかね」と話します。

 

当初は、うどん店で修行を重ねた小野ウどんさんですが、「うどんでできることがたくさんある」という想いから、新たな挑戦を始めます。「お店での修行を終え、出張専門として原付でうどんづくりに必要な機材を全て運んで打つことを始めました。『でも、これだけじゃ面白くないな』とうどんにロックを感じたので、パフォーマンスを始めていきました」

このような挑戦の中で、「うどんアーティスト」という言葉も生まれます。

「うどんは、やれることが多すぎて、『うどんで様々なことを表現しているから、アーティストじゃないか』と思い、「うどんアーティスト」と勝手に名乗り始めて、活動を続けています」

 

小野ウどんさんは、これまでを振り返り、「『その人だからそうなったんでしょ。僕にはできないよ』となるのがよくないなと思っていて、僕は何もできていないような状態からなんとか工夫しながらやってきたというか、誰にもできるんだということを伝えたいです。僕は、誰かがやっていることにあまり魅力を感じない性格で、うどんを食べ歩きしたり、うどんの情報を伝えてくれる人は世の中にたくさんいるので、僕はうどんを打つことで魅力を広めることがやるべきことなのかなと思って、今はそこに打ち込んでいます」と語ります。

 

うどんを通じて、相手へ想いを届ける

 

小野ウどんさんは、現在「推し麺プロジェクト」という新たなジャンルの開拓に力を入れています。「うどんのいいところというのは、あらゆるものに適用できるというところにあると思っているので、麺を食べる人のパーソナリティーに合わせて作っていくということをしたいと思っています。例えば、食べる人に合わせたうどんの踏み方をしたり、小麦粉を選んだりすることで『人を表現するうどん』をつくるというのが『推し麺プロジェクト』です」

 

小野さんは、このプロジェクトの経緯について、「もともと『男性が女性にうどんを打ってあげる』ということがしたいなと思ったんです。そのときに、相手から見える、その人の性格診断をしてもらい、『このタイプの相手なら、こういううどん生地が届きますよ。その生地を相手に打ってあげてください』というようなことがしたいと思ったところから始まっているんです」とコミュニケーションツールとして、うどんの新たな価値を生み出そうと模索しています。「相手に対して『あなたはこんな人ですよね』って直接伝えるのは恥ずかしいじゃないですか。そういった思いにうどんを通して間接的に伝えるという方法もいいなと思っています」

 

***

 

うどんに可能性を感じ、多くの活動を行っている小野ウどんさんの根底にある想いについても話してくださいました。

「うどんって本当に単価が低くて、香川県だと人玉100円くらいで食べることができます。なので、職人の価値をあげたいというのが根底にあって、そのひとつに単価を上げるための方法として、うどんパフォーマンスでうどんができる過程をエンターテインメント化することを考えたり、推し麺プロジェクトを企画したりしています」

 

うどんに対する熱い想いで活動を続ける小野ウどんさんですが、出張専門としてだけではなく、浅草に『セルフクラフト型手打ちうどん専門店 メルフクラフト浅草』という店を構え、うどんづくりから体験できるスペースの運営も行っています。ここでは、小野ウどんさんが披露している『うどんパフォーマンス』の体験もできるようです。また、毎週火曜日には、東京・御茶ノ水で『うどんバー』を開いており、お酒とうどんが楽しめる場所を提供しています。

 

うどんパフォーマンスやうどんディスコ、さらに推し麺プロジェクトまで、うどんを通じた新たな魅力、可能性を掘り起こす、小野うどんさんのこれからの活動に目が離せません。

 

もっとつながるFMは、毎週木曜夜8時より「地域がもっとつながる、もっと近くなる。」を合言葉に、東京 半蔵門のスタジオから全国のコミュニティーFM局に生放送でお届けしているプログラム。パーソナリティーの天谷窓大がゲストを迎え、日本全国津々浦々の地域の魅力を発掘・発信していきます。詳しくは番組公式HP( https://mtpj.jp/about/ )をご覧ください!放送では聴けないアフタートークも配信中です!

 

PAGE TOP